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【新聞掲載記事】高能率アーク溶接システム『D-Arc』普及拡大!/ダイヘン(溶接新報 令和3年5月24日)

想定以上の作業効率向上と使いやすさに高評価! ステンレス溶接に適用可能な「D-Arc」の開発も希望

 ㈱ヨシダ(茨城県水戸市、吉田陽子社長)は、大正12年創業。当初は日立製作所の下請け企業としてスタートしたが、昭和36年3月に国立研究法人日本原子力開発機構(JAEA)からグローブボックスの試作・開発を請け負い、日本初の原子力用グローブボックスを製造。その後グローブボックス及び原子力用各種容器等の設計・製造(機械加工・製缶溶接)を主業務に、その他、建設機械・医療機器部品まで幅広く手掛ける企業として成長を遂げている。
 従業員数は65名。第一工場(水戸市塩崎町2363)の他、第二工場(水戸市六反田町1279-1)、小泉倉庫(水戸市小泉町213-3)を有する。
 同社では2020年春にダイヘン製の厚板高能率アーク溶接システム「D-Arc」を導入。同社第二工場を訪ね「D-Arc」の導入経緯、稼働状況などについて話を聞いた。

 同社、米川周佑取締役業務本部長に、同社の主力製品であるグローブボックスについて聞くと、「放射性物質や細菌等を閉じ込め、グローブ越しに手だけを入れて作業ができるようにした密閉容器。用途別に一つひとつ全く異なるオーダーメイド品なので、用途を聞いて当社が一から設計し、製造している。耐震性や、放射性物質の想定線量など条件が非常に細かく、さらに施行記録や検査結果も全て提出する必要があるので、非常に手間が掛かる」とのこと。注文を受けてから納品まで短くて半年、一年半以上費やすケースもあるそうで、相当な経験と技術の積み重ねがなければ扱えない製品である。
 グローブボックスはステンレス製が主で、溶接はTIG溶接が指定されるケースが大半を占めるそうだが、その架台については鉄製が多く、その溶接には「D-Arc」も適用されている。
 「D-Arc」導入経緯については、「風力発電設備部品や建設機械部品、グローブボックス架台等の25度・35度開先の厚板溶接において、通常なら3パス必要なところを1パスで溶接可能。大電流でもアンダーカットが出にくい溶接システムが出たと聞き、ダイヘンテクノサポートさんの大宮FAセンターでデモを見せていただいた。その効率の良さに目を見張り、即導入を決定した」とのこと。
 そして、2019年12月に発注、2020年春に導入。茨城県下では初の「D-Arc」導入企業となった。
 導入後の評価について、製造部・山口功次長に聞くと、「当初想定していた以上に溶接の作動効率も向上し、溶込みも十分で、使いやすさも想定以上。当社は、TIG溶接が多く、半自動溶接に慣れていない溶接技能者も多いが、そのような技能者でもD-Arcはすぐに使えるようになった」と高く評価する。
 ワイヤについては日鉄溶接工業製の「YM-26」のφ1.2/1.4㎜を使用。
 稼働率については、「当社は第一工場では鉄の溶接が多く、第二工場はステンレス溶接が多い。現在、鉄の溶接にはD-Arcをメインで適用しており、稼働率はほぼ100%」とのこと。
 取材当日の同社・第二工場は、前日までに多くのグローブボックスを出荷した後とのことで、すっきりと片付けられていたが、それでも幾つかの製作中のグローブボックスがあり、また鉄製のグローブボックス溶架台も製造されていた。
米川本部長は、「グローブボックスはステンレス製なので、溶接はほぼTIG溶接だが、当社ではTIG溶接機もダイヘン製が大半を占める。性能もさることながら、何かあればダイヘンテクノサポートの方がすぐに駆けつけてくれ、とても頼りにしている」と話す。
 「D-Arc」については概ね満足しているとのことだが、あえて要望について伺うと、「ステンレス溶接に適用可能なD-Arcを開発してほしい」とのことであった。
 また今後の設備予定については、「ダイヘン製のマイクロTIG溶接機とプラズマ溶接機の導入を検討している」と述べた。
 最後に、米川本部長に今後の展望にてついて伺うと、「当社は用途を聞いて設計から、機械加工、溶接・組立までを一貫して手掛けており、製造工程を考慮した設計ができる点が他社にない強みだと思っている。その強みを生かし、今後は新しい用途のグローブボックス、例えば現在、新型コロナウイルスの感染拡大が問題となる中、遠隔操作で患者を診断できるような飛沫感染防止型グローブボックスを開発したいと考えている」と語ってくれた。

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